幽霊船は海で踊る

一週間に一度、おすすめ本の投稿をしています。

『ザリガニの鳴くところ』ディーリア・オーエンズ(早川書房)

あたたかいカフェラテを飲みながら読書をしたい季節になってきた。
すっかり紅茶からコーヒー派になってしまい、朝昼晩問わずずっとコーヒーを飲んでいたいのだが、朝から豆を挽く時間はないし、夜に飲んでしまえば眠れず、つぎの日の仕事に差し支える。
というわけで、休日の昼間に豆を挽き、たっぷり淹れたコーヒーを大事に大事に飲んでいるのだが、淹れたコーヒーの賞味期限も限られているし、ハンドミルの容量は1人~2人用なので量も知れている。
朝からコーヒー豆のいい匂いで起きたいものである。
さておき、今週のおすすめ本は、さまざまな書評ですでに有名な作品だが、この前読み終わったので紹介することにした。

 

 

ザリガニの鳴くところ

ザリガニの鳴くところ

 

 

ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』(早川書房

 

6才で家族に見捨てられてからたったひとりで生きる「湿地の少女」カイア。
村の人々からも疎まれ蔑まれていたが、数人の協力を得て、湿地の生き物と
ともに静かに暮らす。
しかしあるとき、村で起こった不審死事件の疑いが「湿地の少女」に向けられ、物語は一転する。

湿地に生まれ、生きる少女カイアの一生の物語。
今なお残るいきいきとした自然の描写が素晴らしく、なおかつカイアの人生が身に染みる作品。
「この少女を、生きてください。」という文句はまさにその通りで、
読むというより、カイアの人生を体験する記憶媒体のようだ。