幽霊船は海で踊る

一週間に一度、おすすめ本の投稿をしています。

『とざされた時間のかなた』ロイス・ダンカン

 

あっという間に1週間が経ってしまう。

気付けば週末も終わるということがしばしばある。

 

 

 

ロイス・ダンカン『とざされた時間のかなた』(評論社)

 

母さんが死んで1年も経たないのに、父さんが再婚した。しかもとびきりの南部美人と。

美人の再婚相手と不思議な雰囲気を持つ2人の連れ子たち。『風と共に去りぬ』を思わせる屋敷で、17歳の少女ノアが探り当てた驚愕の真実とは。

不気味で少し悲しい物語。

 

 

正直、最初のほうを読んだらかなりストーリーは読めてしまうのだけど、それでも父親に何を言っても信じてもらえないもどかしさだとか、失望、ノアの身に迫る恐怖や、屋敷と新しい家族の不気味さの描写が素晴らしい。

最後の展開はちょっと衝撃的で、少し悲しさが残るのが良い。

翻訳小説って、どれも独特の読みづらさがあると思ってるのだけど、この作品は訳がうまくて、すいすい読み進めてしまった。

海外小説は読みづらくて……と思っている人にもおすすめの作品。