『けしゴム』まど・みちお
日中はあたたかいのに、朝と晩は驚くほど冷える。
車のフロントガラスが凍るので、ペットボトルにぬるま湯を入れていくのだけれど、そういうときに限って氷は張っていない。そういう日が何日も続いたので、もういいやと思って手ぶらでいくと、今日は氷が張っていた。
そんな日々を過ごしている。春はまだ遠い。
まど・みちおさんの作品に、上皇后美智子さまの英訳。そしてさらには、去年12月末に亡くなった、安野光雅さんの装画が美しい一冊。
「カメ」
ウサギの きもちが
よう わかる
―ねむいねむい
「キリン」
いすは まっています
とおい ほしからの
きょじんの おきゃくを
もう なんまんねんも…
など、最小限のことばと英訳の、シンプルな構成が素晴らしい。
詩を楽しむだけでなく、持っているだけでしあわせな気分になります。