『本日のメニューは。』行成薫

年末年始、珍しく長い休みが取れてありがたいことこの上ないのだけれど、やっぱりどうにも忙しくてあっという間に時間が過ぎていく。

師走の慌ただしい雰囲気苦手なんだよなぁ。

 

本日のメニューは。 (集英社文庫)

行成薫『本日のメニューは。』(集英社文庫)

町のごはん屋さんと、それを取り巻くお客さんたちの短編集。

入院中の父にラーメンの出前をしたい小さな兄弟の物語や、底なしの大食い男と定食屋の頑固親父との闘いなどを描いた五つの物語。

どれも感動的なお話だけど、特におむすび屋さんのお話が好き。人と人とを「結ぶ」から「おにぎり」ではなく「おむすび」。読んでいるだけでふっくらしたごはんと、その中のいろんな具がたまらなく美味しそうで、お腹がすいてくる。真似て作ってみようとしたけど、うまくいかずただのぼろぼろのお米ができあがっただけだった。

さくっと読めるので、年末年始にごちそうだけじゃなく、素朴な味を楽しんでみませんか。